西持田の家(リフォーム)

戦前あたりまでの民家をみると、その時々、その場所でもっとも手に入りやすい材料でつくられています。それは木であり、竹であり、草であり、土であり、砂や砂利であり、稲藁であったり・・。その意味で、現代の民家の材料として相応しいのは素朴な工業製品ではないだろうかと思えるときがあります。誰もが手に入れることのできる素朴で身近な材料だからです。
施主にはささやかな普請道楽がありました。それは、そうした素朴な工業製品を選び、生活の背景としての仕上材として使うことでした。
Iターンで移住されたご家族にとって、少しよそよそしかったその古い家は、そのようにして、施主にとって親しみの持てる生活の場になったと思います。

用途:住宅
2019年12月
場所:島根県松江市




ラワンベニヤ、構造用合板、木毛セメント板、コンクリートブロック、コンクリート平板、、素朴な工業製品の仕上。消費される商品として製造された新建材と異なり、ありのままの素直な材料ですよね。







玄関の吹抜けにぐいっと力強い線で描かれた「壁画」。場を元気にしてくれました!







玄関見下げ。古民家らしい小屋梁が現しになりました。







竣工前のスナップ。



写真撮影  宇田川孝浩