業務の流れ(業務料について)― 木造住宅の設計の場合

はじめに


業務は「設計」業務と「監理」業務から成ります。

設計業務は、単に間取りを考えたり、見た目のカタチをデザインすることだけではありません。住まいについて言えば、住まいを設計するということは「家族」とはなんだろうかと考えることかもしれません。それは設計者だけでは当然無理で、住まい手と一緒に具体的で生々しい日常のこと、時には夢のようなことを想像することから始まります。楽しく、そしてエネルギーの要る作業ですね。きっと「家族」のカタチはみんな違うと思います。だから住まいのあり方も「家族」の数だけあるはずです。
ハウスメーカーさんや大工さんと異なるのは、そんな唯一の住まいを、決まった仕様や間取りからではなく、まっさらな白紙から住まい手と一緒に考えていく過程こそ住まいづくりと捉えている点かもしれません。

監理業務は、設計業務で作成した実施設計の図面の内容にあわせて現場で施工が行われるか照合・確認する仕事です。設計者である以上、図面だけ描いて、現場は見ないということはありません。基礎の配筋やコンクリートの打設状況、構造耐力上重要な接合金物の仕様・位置、断熱材の施工状況、下地・仕上材料の仕様、防水納まり、設備配管、スイッチ・コンセント・照明器具の位置……確認することはたくさんあります。
監理業務のなかで、仕上や設備機器の色や仕様など確認の為の建て主とのお打合せも随時行います。建て主と施工者とのあいだの窓口は全て監理者(当事務所)になります。

そして、モノとモノがぶつかるところ、「納まり」を確認することも大切です。現場でその納まりを職人さんと一緒に考えることもあります。ここはなかなかうまく説明できませんが、床と壁がぶつかるところ、壁と壁がぶつかるところ、壁と天井がぶつかるところ、開口部廻り、そうした部分の集まりが、建築に命を吹き込みます。そのとき、建築がいきいきと動き出します!
つい、話しすぎました。本題に入りたいと思います。



業務の流れ(主に木造住宅で新築の場合です。改修工事は内容により幅があります。)

1.事前相談・最初の提案(1~2か月程度)

まずはお気軽に!雑談だけでも結構です(笑)。
住まいの基本的な条件、要望(予算、敷地、家族構成など)をお聞きします。この段階ではまだ漠然とした想いやお悩みだけでも構いません。いろいろな可能性を一緒に探っていくのが我々の仕事です!
必要に応じて敷地を調査しインフラ(給排水、電気、都市ガス)や隣地との関係、接道状況などを確認します。
条件を整理し、その場所でどんな案が可能か提案します(配置・プラン・立面等、規模のイメージ、要望を盛り込んだ場合の概算など)。
この提案は様々な可能性のはじまりにすぎません。

〇建築設計・監理等業務委託契約の締結


事前相談での提案はお見合いのようなものかもしれません。お互いの価値観や信頼関係が築けそうなら、業務の期間、業務に対する報酬や責任を明確にするために契約を締結していただきます。

2.基本設計(3~6か月)

基本設計はとても重要で計画の骨格を見つける作業です。
図面、模型をつくりながら検討し、プラン、断面、立面、仕上げのイメージと、住まい手と打ち合わせを重ねながら納得のゆくまで計画を詰めていきます。
合わせて概算の予算、スケジュールを提出します。

3.実施設計(2~4か月)

実施設計図書の作成
基本設計で決定した計画を現実の建築として建ちあげる為の図面の作成です。
工事に必要な材料、工法や具体的な設備の性能、機器を決めていき、その情報を図面に表現します。仕上材料や設備機器の選定などの為に打ち合わせを行います。
作成する主な図面は仕上表、配置図、各階平面図、立面図、矩計図(断面図)、展開図、天井伏図、建具表、家具図、その他詳細図、構造図、設備図などです。
用途や規模、計画場所によりかかる法的規制に適合するよう、必要に応じて関係機関(消防、建築確認、保健所等)との事前協議も行います。

4.施工者の選定、工事請負契約(2か月程度)

実施設計がまとまったら施工者(主に工務店)へ図面を渡し見積りを依頼します。
施工者は過去の実績や建築場所などを考慮して選定します。
見積り期間は4週間程度です。その後見積り内容の査定と工事金額の調整を行います(4週間程度)。予算と見積り金額の差が大きい場合は仕様の変更等も検討します。

5.工事請負契約

工事金額が確定したら施工者と工事請負契約を締結します。

6.確認申請

確認申請が必要な場合は、工事請負契約のめどが立ち次第、所管の審査機関へ建築確認の申請を行います。

7.着工 監理業務

現場で立会い、又は施工者から提出される書類等により工事の内容を実施設計図書と照合、確認します。工事中も仕上等のサンプルを見ていただいたり、打ち合わせを行います。
監理者が建て主と施工者の窓口になります。
一般的な木造2階建ての場合、工期は約4~6か月程度です。

8.竣工・引渡し

確認申請の完了検査等、所定の検査を受けます。
そして完成したあともずっとおつきあいは続いていくと考えています!よろしくお願いします。



業務料について

建築設計・監理等業務の報酬の額は建物の構造・規模・用途によりますが木造の専用住宅で新築工事の場合、総工事費の概ね10%程度が目安となります(あくまで目安であり人件費をベースに算定される為、工事費が小さい場合は割高になります。(意外に思われるかもしれませんが、新築に比べリフォームなど改修工事の方が設計も施工も手間がかかります。)長期優良住宅の認定を受ける場合や用途や構造によっては別途 設備設計や構造設計の費用が必要となることがあります。)。
また工事を分離発注(工事の請負を工務店1社ではなく大工さんや各工種に分けて発注する場合等)する場合など別途経費をご相談させてください。
業務料については事前に内容と金額をご説明し、納得していただいた上でのご契約となりますので安心してください。
お支払い時期と金額の割合は通常下記のようにお願いしていますが、ご都合に応じて柔軟に対応します。
建築設計・監理等業務委託契約の締結時 1/4
実施設計完了時 1/4
着工または上棟時 1/4
竣工・引渡し時 1/4
(※建築士事務所の業務報酬は国土交通省告示第十五号に定められています。)


その他参考 設計事務所や工事の請負者以外に支払う諸費用の例(祭礼等施主の考え方によります。)
地盤調査(10~30万円)、確認申請手数料(3~8万円程度。審査機関に納める手数料です。)、地鎮祭、上棟式、登記費用、火災保険、その他税など。



〇住まい手、発注者のご都合に合わせて柔軟に対応いたします。まずはお気軽にご相談ください。
〇主に木造住宅の場合の流れをご説明しましたが、木造以外の構造(S造、RC造)や住宅以外の用途(共同住宅・店舗・診療所・宿泊施設その他)についても設計監理業務を請けています。