業務の流れ(業務料)― 主に住宅の設計について

はじめに

業務は「設計」業務と「監理」業務から成ります。

設計業務は、単に間取りを考えたり、見た目のカタチをデザインすることだけではありません。住まいについて言えば、住まいを設計するということは「家族」とはなんだろうかと考えることかもしれません。それは設計者だけでは当然無理で、住まい手と一緒に具体的で生々しい日常のこと、時には夢のようなことを想像することから始まります。楽しく、そしてエネルギーの要る作業ですね。きっと「家族」のカタチはみんな違うと思います。だから住まいのあり方も「家族」の数だけあるはずです。

ハウスメーカーさんや大工さんと異なるのは、そんな唯一の住まいを、決まった仕様や間取りからではなく、まっさらな白紙から住まい手と一緒に考えていく過程こそ住まいづくりと捉えている点かもしれません。

もうひとつ。その敷地に住む、暮らすということはその場所と関係を持つことだと言えます。「場所」と言っても、いろんなことを含みます。朝は東から太陽が昇ります。太陽の光をどうやって取込むといいのかなと考えます。湿気の多い場所、崖地に建つ場所、北向きの場所。木々に囲まれた場所。海の潮風が当たる場所。町家のようなたてこんだ場所。一見、条件の悪そうな場所でも、それはその場所の特徴だと考えれば、その住まいの建ち方に影響を与え、唯一の住まいのあり方を教えてくれる手がかりになります。

「場所」との関係とは、自然環境だけではなく、社会との関係のことでもあります。
かつての民家が生き生きとしているのは、その場所での生活のあり方、社会との関係がそのまま住まいのつくられ方とつながっているからだと思います。農家の土間は雨の日の農作業の場所であり農機具や収穫物を置いておく場所でした。町家の通り庭は、廊下でありながら、前の通りにつながる道のようです。外とつながりながら、深い奥行や坪庭がパブリックとプライベートの領域の濃淡を自然につくりだしています。
住まいを考えることとは、その住まいが建つ「場所」との関係を考えることでもあるんですね。

監理業務は、設計業務で作成した実施設計の図面の内容にあわせて現場で施工が行われるか照合、確認する仕事です。設計者である以上、図面だけ描いて、現場は見ないということはしません。実際に地面を掘ったときの地盤の様子、基礎の鉄筋、コンクリートの打設状況、柱や梁の位置・大きさ・品質、構造の金物、断熱材、下地・仕上材料、防水納まり、設備配管、スイッチ・コンセント・照明器具の位置……確認することはたくさんあります。

そして、モノとモノがぶつかるところ、「納まり」を確認することも大切です。現場でその納まりを職人さんと一緒に考えることもあります。ここはなかなかうまく説明できませんが、床と壁がぶつかるところ、壁と壁がぶつかるところ、壁と天井がぶつかるところ、開口部廻り、そうした部分の集まりが、建築に命を吹き込みます。そのとき、建築がいきいきと動き出します!

つい、話しすぎました。本題に入りたいと思います。

業務の流れ(主に新築の場合ですが、改修工事(リフォーム)もこれに準じます)

1.事前相談(1か月程度)

まずはお気軽に!雑談だけでも結構です(笑)。
住まいの基本的な条件、要望(予算、敷地、家族構成など)をお聞きします。
敷地を調査しインフラ(給排水、電気、都市ガス)や隣地との関係、接道状況などを確認します。
敷地が都市計画内の場合など、所管の役所で法的条件について確認します。
条件を整理し、設計方針を提案します。ここまでの作業は基本的に無料です。

2.基本設計(2~6か月)

・第1案の作成

事前相談で策定した設計方針をもとに、柔軟にさまざまな可能性を検討します。
構造、熱環境、法律、機能、予算など現実的な検討をしながら、第1案を作成します。
図面や模型、概算の予算、スケジュールを提出します。

・建築設計・監理等業務委託契約の締結

第1案はお見合いのようなものだと考えています。計画はそこで決まるのではなく、更に検討は続きますが、案を見て設計を任せてもいいなと思って頂けたら、業務の期間、業務に対する報酬や責任を明確にするために契約を締結していただきます。

基本設計はとても重要で計画の骨格を見つける作業です。図面、模型をつくりながら検討し、住まい手と打ち合わせを行い計画を詰めていきます。

3.実施設計(2~3か月)

・実施設計図書の作成

基本設計で決定した計画を現実の建築として建てる為の図面です。
工事に必要な材料、工法や具体的な設備の性能、機器を決めていき、その情報を図面としていきます。仕上材料や設備機器の選定などの為に打ち合わせを行い、時には一緒にショールームへ行きます。
作成する主な図面は仕上表、配置図、各階平面図、立面図、矩計図、展開図、天井伏図、建具表、構造図、設備図などです。
用途や規模、計画場所によりかかる法的規制に適合するよう、必要に応じて関係機関(消防、建築確認、保健所等)との事前協議も行います。

4.施工者の選定、工事請負契約

実施設計がまとまったら施工者(主に工務店)へ図面を渡し見積りを依頼します。
施工者は過去の実績や建築場所などを考慮して選定します。場合によっては複数の施工者から相見積りをとります。
見積り期間は2~3週間程度です。その後見積り内容の査定と工事金額の調整を行います(2~3週間)。予算と見積り金額の差が大きい場合は仕様の変更等も検討します。

5.工事請負契約

工事金額が確定したら施工者と工事請負契約を締結します。

6.確認申請

確認申請が必要な場合は、工事請負契約のめどが立ち次第、所管の役所へ建築確認の申請を行います。

7.着工 監理業務

現場で立会い、又は施工者から提出される書類等により工事の内容を実施設計図書と照合、確認します。工事中も仕上等のサンプルを見ていただいたり、打ち合わせを行います。
監理者が施工者と建て主の窓口になります。
監理の内容は監理報告書により報告します。
一般的な木造2階建ての場合、工期は約4~6か月程度です。

8.竣工・引渡し

確認の完了検査、その他検査がある場合は所定の手続きを行い、検査を受けます。
監理者及び建て主により竣工検査を行います。
そして完成したあともずっとおつきあいは続いていきます。よろしくお願いします。

業務料について

建築設計・監理等業務の報酬の目安は建物の構造・規模・用途によりますが専用住宅の場合、総工事費の概ね10%程度が目安となります。当事務所の場合、報酬のお支払いを3回に分けています。お支払い時期と金額の割合は通常下記のようにお願いしています。
建築設計・監理等業務委託契約の締結時 1/3
実施設計完了時 1/3
竣工・引渡し時 1/3
(※建築士事務所の業務報酬は国土交通省告示第十五号に定められています。)


その他参考 設計事務所や工事の請負者以外に支払う諸費用の例(祭礼等施主の考え方によります。)
地盤調査(15~30万円)、確認申請手数料(3~7万円程度)、地鎮祭、上棟式、登記費用、火災保険、その他税など。



〇住まい手、発注者のご都合に合わせて柔軟に対応いたします。まずはお気軽にご相談ください。